京から最初にたどり着く、熊野の聖地
古の都・京都から、長い道のりを歩く熊野詣。厳しい中辺路を経て、最初にたどり着く聖地が熊野本宮大社です。
かつては、熊野川・音無川・岩田川の合流点にある「大斎原(おおゆのはら)」と呼ばれる中洲にあったのですが、明治22年の洪水で多くが流出し、現社地に流出を免れた社を移築したものです。
門をくぐって、向かって左手の社殿が牟須美(むすみ)・速玉(はやたま)の両神。中央は主神の家津御子大神(けつみこのおおかみ)。そして右手は天照大神(あまてらすおおみかみ)が祀られています。
全国の熊野神社の総本山にあたる熊野三山(本宮、新宮、那智)の中でも、現在もとりわけ古式床しい雰囲気を漂わせています。
大斎原(おおゆのはら)
大斎原は、熊野本宮大社の旧社地です。熊野本宮大社は、熊野川・音無川・岩田川の3つの川が合流する大斎原と呼ばれる中洲にありました(現在は川の形が変わり、明確に中州の形はみてとれない)。ところが、明治22年(1889年)8月の洪水により、大斎原にあった熊野本宮大社の社殿の多くが流されました。現在の熊野本宮大社は、流失を免れた上四社3棟を明治24年(1891)に現在地に移築・再建したものです。大斎原には、流失した中四社・下四社をまつる石造の小祠が建てられています。大斎原の大社は、およそ1万1千坪の境内に五棟十二社の社殿、楼門、神楽殿や能舞台など、現在の数倍の規模だったそうです。
背後の森を守るかのように、高さ約34m、幅約42m、日本一の巨大鳥居がそびえたっています。はるか遠くからですら確認できるこの鳥居の後ろ、こんもりとした森に囲まれた地帯が旧社地・大斎原です。この大斎原は本宮大社前のバス停(現在の熊野本宮大社)から500mほど離れています。
熊野本宮大社の周辺
熊野本宮大社周辺は田辺市本宮町の中心地であり、飲食店やおみやげ店、郵便局や交番、消防署などの公共機関もあります。
大社参道入り口横の「瑞鳳殿」にも、カフェやおみやげ店、荷物搬送サービスなどがあります。
大社前には「世界遺産熊野本宮館」があり、本宮温泉郷や田辺・中辺路・新宮・十津川方面へのバス停もあります。
宿泊はバスで10~20分の本宮温泉郷(川湯温泉・渡瀬温泉・湯の峰温泉)があるほか、熊野本宮大社周辺にも民宿やゲストハウスなどがあります。
世界遺産熊野本宮館
熊野本宮大社の前にある「世界遺産熊野本宮館」には、和歌山県世界遺産センター、熊野本宮観光協会などがあり、熊野古道の情報や観光情報が提供されています。
交通
大阪・名古屋から電車・バスで
- 大阪方面からJRで紀伊田辺駅、バスで約2時間
- 名古屋方面からJRで新宮駅、バスで約1時間
東京から飛行機・バスで
- 羽田空港より南紀白浜空港まで70分、南紀白浜空港より直通バス140分
車で
- 大阪方面から阪和自動車道~紀勢自動車道・上富田ICより、国道42号線・311号線・168号線にて本宮へ(上富田ICより約65km・1時間15分)
- 名古屋から東名阪自動車道→伊勢自動車道→紀勢自動車道→国道42号→国道168号で約270km。
- 熊野本宮大社瑞鳳殿前、世界遺産熊野本宮館、熊野川河川敷に無料駐車場あり。
- 熊野本宮観光協会>交通案内
- 熊野本宮大社