発心門王子から熊野本宮大社までの古道は、熊野古道中辺路のクライマックス。
熊野本宮大社の神域の入口とされる別格の「発心門王子」をスタートし、熊野本宮大社(大斎原)を一望し有難さのあまり平伏し拝んだといわれる「伏拝王子」など、本宮町内の王子社をめぐって「熊野本宮大社」へ。
遠く、苦しい道程を経て大社への参拝を果たした、いにしえの参詣者の感動を体験していただけることでしょう。
コース高低図
歩行距離:7.5km 歩行時間:2~3時間
最低標高:約310m(発心門王子) 最高標高:約60m(大斎原)
コース案内
発心門王子をスタートすると、すぐに新しい休憩所とトイレがあります。水呑王子までは静かな集落のなかの舗装路を歩いていきます。
水呑王子
もとは三里小学校三越分校の敷地であったところに「水呑王子」と刻まれた緑泥片岩の碑が立っています。
長い歴史のある王子社で、中世の参詣記には「内水飲」と記されており、江戸時代の初め頃から現在の水呑王子と表記されるようになったようです。
ここから美しく緩やかな古道らしい地道に入っていきます。15分ほどで伏拝の集落に出ます。
伏拝の静かな集落を歩いていき、旅人の喉を潤したと思われる「菊水井戸」を過ぎると、きれいに手入れされた茶畑が見えてきます。坂を登り切ると、伏拝王子の休憩所が見えてきます。
休憩所の前の高台が「伏拝王子」です。
伏拝王子
長く厳しい参詣道を歩いてきた参詣者が、熊野本宮大社(旧社地大斎原)を、はじめて望むことができたため、遠く望んで伏し拝んだとされています。
木々の間から、本宮大社の旧社地「大斎原」の森が望めます。
中世の参詣記にはその名がなく、比較的遅い時代に成立したと思われます。
伏拝王子前にはきれいなトイレと休憩所があります。
伏拝王子から三軒茶屋跡に向け、地道の古道に入ります。爽やかな緑に囲まれた、ゆるやかな下りが続きます。
伏拝王子から約20分、舗装路にかかる小橋を渡れば「三軒茶屋跡」です。
三軒茶屋跡・九鬼が口関所跡
三軒茶屋跡は、熊野古道小辺路との合流点でもあり、関所があったと伝えられています。
休憩所とバイオトイレが設置されています。
三軒茶屋跡を過ぎても美しい古道が続きます。少し上り坂になりますが、すぐに石段や石畳が残る緩やかな下りにさしかかります。
途中、「ちょっと寄り道展望台」への分岐があり、少し上ると大斎原の大鳥居が見える高台に行くことができます。
再び古道に戻り、美しい石畳を下っていきます。
石畳道が終わり少し進むと、団地に下る階段があります。階段を下って団地のなかの道を進むと、道沿いに祓殿王子があります。
祓殿王子
現在の熊野本宮大社まであと50mほどのところに、小さな樹叢に守られるように立つのが 祓殿王子です。史料によっては「祓戸」「祓所」などの別表記があります。
本宮大社の旧社地(大斎原)までも数百メートルしかなく、他の王子とは異なり参拝の直前に身を清める潔斎所としての性格を持っていた王子社と見られています。
祓戸王子のすぐ裏手が熊野本宮大社です。
熊野本宮大社
祓殿王子を過ぎると、すぐに現在の熊野本宮大社です。もとは熊野川の中州の「大斎原」にあった大社が大水害で被害を受け、残った社殿を移築したものです。
(詳しくは熊野本宮大社のページをご覧下さい)
熊野本宮大社から石段を下ると、「世界遺産熊野本宮館」があります。
熊野本宮観光協会や、和歌山県世界遺産センターがあります。
世界遺産熊野本宮館付近から、旧社地・大斎原の大鳥居が見えてきます。大鳥居をくぐると、旧社地・大斎原の森に入ります。杉並木を通り過ぎると、大斎原の境内に入ります。
ウォークマップ
下記マップの発心門王子から熊野本宮大社間をご覧ください。