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モデルプラン1‐2 扇ヶ浜潮垢離場~滝尻王子(潮見峠越)

熊野古道中辺路 潮見峠越 捻木の杉

 潮見峠越ルートは、15世紀初頭の古文書に「塩見坂」の記述がみられることから、14世紀には開かれたと考えられ、室町期以降は田辺から高原への近道として頻繁に利用されるようになります。
 この潮見峠の名は、新宮から山中に入った旅人にとっては最初に、田辺から本宮・新宮へ向かう旅人にとっては最後に海(田辺湾)を望む景勝地であったことに由来します。その名のとおり道中には見晴らしのいい眺望があるほか、古道らしい雰囲気と山村の景観も体感できるコースです。
 このコースのうち、「長尾坂」と「潮見峠越」は2016年に世界遺産に追加登録されました。

※この区間は下三栖で分岐し、平安時代の熊野御幸等で利用された富田川沿いのルートと室町以降に開かれた潮見峠越ルートに分かれます。このページでは潮見峠越のルートをご紹介します。富田川ルートは以下をご参照ください。

スタンプスポット

①扇ヶ浜潮垢離場
②道分け石
③秋津王子
④万呂王子
⑤長尾坂
⑥捻木の杉
⑦潮見峠
⑧滝尻王子

モデルプラン

1日目
・各地から田辺市へ
・扇ヶ浜潮垢離場から長尾坂上り口まで歩く
 歩行距離:12.0km
 歩行時間:3~5時間
 上り(累積):160m
 下り(累積):120m
タクシー(またはバス)で田辺市街地へ戻る
・味光路で夕食、市街地で1泊

2日目
タクシー(またはバス)で長尾坂上り口まで移動
・長尾坂から滝尻王子まで歩く
 歩行距離:13.6km
 歩行時間:3.5~5時間
 上り(累積):400m
 下り(累積):350m
・滝尻王子から各地へ

コース紹介

扇ヶ浜潮垢離場

熊野詣での巡礼者は田辺市江川の浜で「潮垢離」をして身を清め、山岳路の中辺路ルートに進みました。この故事にちなみ、扇ケ浜海水浴場に「潮垢離場」が設けられています。海水で手を洗い、身を清めます。扇ケ浜からは、美しい夕日を見ることができます。

田辺市扇ヶ浜
0739-26-9929(田辺市観光振興課)
駐車場あり(市営扇ヶ浜海岸駐車場 約400台)

〈ちょっと寄り道〉地元ならではのお昼ごはんで腹ごしらえ

あがら丼・あがら飯

あがらとは「私たち」という意味。地元産品を使った地元ならではの食事を楽しんで。
あがら丼HPへ

お弁当

行程の途中で腹ごしらえしたいときは、お弁当がおすすめ。町中には地元食材を使ったお弁当をその場で注文できるお店も。
お弁当屋



徒歩10分

道分け石

中辺路と大辺路の分岐点。北側から来ると「左 くまの道」と書かれており、左へ行くと熊野古道・中辺路へと進むことが記されています。

田辺市北新町
0739-26-9929(田辺市観光振興課)
駐車場なし
※路上駐車はご遠慮ください。



徒歩30分

秋津王子

熊野古道中辺路 秋津王子 安井宮跡の石碑

藤原定家の「熊野御幸記」(1201年)に「秋津王子」の名が初めて登場します。
秋津にあったことは明らかですが、会津川の氾濫で数度にわたって移転され、元の場所は消滅して確定できません。柳原という所から笠松跡、安井へと移転し、現在は安井に石碑が建てられています。

田辺市秋津町
0739-26-9929(田辺市観光振興課)
駐車場なし
※路上駐車はご遠慮ください。



徒歩50分

万呂王子

熊野古道中辺路 万呂王子

藤原定家の熊野御幸記に、秋津王子に参ったあと「山を越えて丸王子にまいり」とありますが、現在、その山はまったく確認できません。その社地は小さい森になっていたそうですが、明治10年に須佐神社に合祀され、その後、田になってしまいました。現在は熊野橋から50mほどの北の梅畑の畔に標柱があります。

田辺市上万呂
0739-26-9929(田辺市観光振興課)
駐車場なし
※路上駐車はご遠慮ください。



徒歩10分

下三栖交差点

富田川沿いを進むルートと長尾坂・潮見峠越へと進むルートの分岐点。看板を参考に、長尾坂方面へと進みましょう。



徒歩55分

長尾坂

熊野古道中辺路 潮見越 長尾坂

上三栖から水呑峠まで続く道のりで、登り口から約700mの区間は世界遺産に登録されています。道中には近世の石畳が残るほか、一里塚跡などが残ります。舗装路に合流してからは、山村の景観を楽しみながら歩くことができます。

田辺市上三栖~長野
0739-26-9929(田辺市観光振興課)
駐車場なし
※路上駐車はご遠慮ください。



徒歩60分

【見どころ】ひる寝茶屋

細い舗装路の急な登り坂を上っていくと、眺望が良い「ひるね茶屋」があり、春は桜、秋は紅葉、初春には梅花が楽しめます。茶屋のかたわらには「昼寝権現」の小さな社があります。旅人が景色をながめながら休息するうちに寝てしまったというようなことから、この名がついたとされています。 ここからは林道を捻木の杉に向かいます。

田辺市長野
0739-26-9929(田辺市観光振興課)

熊野古道中辺路 潮見峠越 水呑峠 ひるね茶屋の紅葉
水呑峠 「ひるね茶屋」の紅葉



徒歩30分

捻木の杉

熊野古道中辺路 潮見峠越 捻木の杉

水呑峠から少し進んだ「捻木峠」には、高さ約20m、周囲約6mの杉の大木があり「捻木の杉」と呼ばれています。
近世の熊野参詣者はこの木を道中の目印にしたといわれており、よくこの木の下で休息したようです。根元には修験道の開祖、役(えん)の行者の石像があります。
また、捻木の杉には安珍清姫の伝説があり、槙山の中腹に差し掛かった清姫は、かたわらの杉に登りはるか前方に逃げる安珍の姿を見つけ、口惜しさのあまり杉の枝を捻じ曲げてしまい、枝はそのままねじれて育ち大木になったということです。

田辺市上野
0739-26-9929(田辺市観光振興課)
駐車場なし
※路上駐車はご遠慮ください。



徒歩40分

潮見峠

捻木の杉から2kmほどで、 潮見峠に到着です。少し開けた場所で舗装林道とも交差し、休憩所・トイレがあります。ここからは「覗橋」に向け、舗装林道を下っていきます。 覗橋を渡れば広い車道に出て、そこから国道に出て滝尻王子まで歩くことができます。

田辺市中辺路町西谷
0739-64-1470(熊野古道館)



徒歩90分

滝尻王子

滝尻王子

滝尻王子は富田川と石船川が合流する地点に鎮座し、熊野三山の霊域のはじまりとされています。熊野九十九王子社のうち五体王子社にも数えられ、中世に熊野御幸が盛んであった頃には、皇族貴族により奉幣や読経の他、法楽のための里神楽や歌会が盛大に催されました。平安時代後期には藤原秀衡の寄進により四町歩(1万2千平方メートル)の境内に七堂伽藍が建立されていたといわれています。

田辺市中辺路町栗栖川859
0739-64-1470(熊野古道館)

  

熊野古道館

滝尻王子の向かいにあり、熊野古道をはじめ、中辺路町の観光案内や歴史紹介を兼ねた休憩施設、観光案内・ビデオ語り部・歴史展示・休憩・グッズ販売の5つのコーナーがあります。

田辺市中辺路町栗栖川1222-1
0739-64-1470
時/8:30~17:15
休/年末年始

熊野本宮館

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