このたび私たちは、世界遺産「熊野古道」の巡礼風景を守っていくためのクラウドファンディングを始めました。
世界遺産「熊野古道」は、国内はもとより世界中から多くの旅行者が訪れる巡礼の道。熊野古道の巡礼風景を守っていくためには、道を歩く人が必要です。また同時に道を適切に保全・保存していくことが重要です。1000年以上の歴史を持つ巡礼道とその風景を、次の1000年につないでいくために応援してください!
熊野古道とは
熊野古道は紀伊半島に位置し、熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社)へと通じる参詣道です。中世以降、上皇や貴族、庶民に至るまで、あらゆる階層の人々がこの地を目指して歩いた1000年以上続く巡礼の道であり、2004年には「紀伊山地の霊場と参詣道」としてユネスコの世界文化遺産に登録されました。
現在は国内だけでなく、世界中から多くの外国人旅行者が訪れる人気の観光地となっています。
熊野古道について詳しくはこちら>>
熊野古道のルーツ
なぜ、熊野古道は、世界中から多くの人々が訪れる場所となったのでしょうか。
熊野は初代天皇の神武天皇が上陸した場所とされ、また、日本古来の自然崇拝の「神道」と6世紀半ばに伝来した「仏教」を融和させた、現在の日本人の信仰の原点とされる「神仏習合」という独自の信仰が生まれた場所であり、古来より聖地とされてきました。
平安時代以降、身分や階級を問わず、多くの人々が熊野に憧れをいだき、救いを求め、蘇りを願って、聖地・熊野を目指しました。熊野に向かう旅人の切れ目がなく行列ができた様子から「蟻の熊野詣」と例えられるほど多くの人々が熊野に参詣し、これが日本の旅のはじまりだと言われています。
1000年以上経った今も、1000年前の人々が歩いた同じ道を辿り、蘇りを求めて、多くの人々が聖地・熊野を目指して歩いています。
熊野古道の課題
「熊野古道」は、歩く人がいるから「道の資産」として価値があります。また、歩いてこそわかる魅力です。私たちは、歩く人を呼び込む観光戦略を取りながら、その価値を巡礼者と共に共有してきました。
熊野古道はその多くが山道です。山道は歩く人がいないとすぐに劣化していきます。木々が生い茂り、野生動物が出没し道を荒らします。
歩く人がいることで道が健全に保たれ、道が健全に保たれることで旅人が訪れることができ、旅人の往来があることで古道沿いの集落が維持される・・・このようなバランスで、長年巡礼道の風景が保たれてきました。
しかし、コロナ禍により訪れる人が激減した上、近年は過疎化高齢化に伴い熊野古道の日常的な維持が困難な状況です。
さらに、風水害の被害が度重なり、熊野古道が寸断されるなどの影響が出ることが多くなっています。補修が必要となった場所には、行政や地域と連携して対応することになりますが、看板や道路の調査・補修費用等が不足しているため、充分な対応が出来ていない状況です。
このままでは、国内外からの巡礼者に安心して歩いてもらえなくなる!
熊野詣の巡礼道として、また近年は生活道や山仕事の道としても活用されることで、熊野古道は1000年以上続く道として現在まで存続してきました。
地域ぐるみによる持続的な観光活用により、熊野古道の自然環境と文化的景観を次の1000年につないでいきたい!
今は無理でも、近い将来熊野古道に行きたいと思っていただいている皆様が、いつ来ていただいても安心して歩いていただけるように準備しておきたい!
そんな思いでこのプロジェクトを立ち上げました。
ご支援金は、熊野古道の保全・保存をはじめ、これからも国内外の方々に安心・安全に歩いていただけるための環境づくりに活用させていただきます。
- 熊野古道の補修箇所 及び 案内看板の調査
- 熊野古道の補修作業 及び 案内看板設置作業等のサポート
- 熊野古道ルートマップの制作・更新
- 和歌山県世界遺産センターの協力による熊野古道補修イベント「道普請ウォーク」の開催
- 熊野トラベルの機能強化 など
1000年以上変わらずに歩いてきた道を、次の1000年に橋渡しするためのサポートをお願いします!